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MRI脳画像の撮像や臨床データの取得と、その解析による
精神・神経疾患(認知症、発達障害、気分障害等)の発症メカニズム解明等

国際MRI研究連携によるAYA世代脳発達および障害のメカニズム解明

笠井 清登

笠井 清登

東京大学 医学部附属病院 精神神経科 
教授

精神疾患の多くは思春期・若年成人期(AYA)世代が好発期ですが、AYA世代の脳成熟基盤については、あまり明らかにされていません。 本研究は、AYA世代の統合失調症患者、発達障害当事者、定型発達者を対象に、 脳MRI画像を Human Connectome Project(HCP)のプロトコルに基づいて縦断的に取得し、 さらには国外の共同研究者とMRIデータの共有を行うことにより、AYA世代の精神障害の発症メカニズムの解明や診断・治療転帰予測に資する回路マーカーの同定を目指します。

国際MRI研究連携によるAYA世代脳発達および障害のメカニズム解明

縦断的MRIデータに基づく成人期気分障害と関連疾患の神経回路の解明

岡本 泰昌

岡本 泰昌

広島大学 大学院医歯薬保健学研究科 
教授

成人期の気分障害(うつ病、双極性障害)、不安症、強迫症、統合失調症、閾値下うつおよび健常成人を対象として、MRI脳画像及び付随する臨床データ等を縦断的に取得します。これらのデータセットを用いてAI技術を応用して解析することにより、双極性うつとうつ病の鑑別法、治療反応性(臨床経過)の予測法、5疾患のMRI回路にもとづくバイオタイプなどを提案します。また、閾値下から閾値上うつ病へのMRI画像の変化を評価することで発症メカニズムの解明していきます。

縦断的MRIデータに基づく成人期気分障害と関連疾患の神経回路の解明

先進的MRI技術に基づく統合データベースと大規模コホートデータの連結による高齢者神経変性疾患の責任神経回路の解明

花川 隆

花川 隆

国立精神・神経医療研究センター
脳病態統合イメージングセンター 先進脳画像研究部 部長

高齢者神経変性疾患の代表であるアルツハイマー病(AD)とパーキンソン病(PD)、両疾患のリスクから定義する軽度認知低下など中間段階及び健常高齢者を対象として、磁気共鳴画像(MRI)や臨床データを横断・縦断的に取得し、1万人規模のデータに基づく健常者MRI参照パネルを開発しつつ、最新のMRI神経回路解析や機械学習による判別解析を応用することで、ADとPDの責任神経回路を解明することを目指します。

先進的MRI技術に基づく統合データベースと大規模コホートデータの連結による高齢者神経変性疾患の責任神経回路の解明

MAO-B阻害薬rasagilineによるパーキンソン病治療効果と神経回路変化についての研究

服部 信孝

服部 信孝

順天堂大学大学院医学研究科神経学
教授

本研究では、全身性疾患である孤発性パーキンソン病(sPD)に罹患する患者群を、開放系の概念に基づき外部情報(rasagiline内服)の受容と内部情報(MRI/生体サンプルデータ)生成の連鎖として経時的に評価し、得られた階層別データを用いて機械学習による情報幾何学的意味づけ(内在性特徴の抽出)を行い、特に神経回路変化を基軸としたPD患者層別化を目指します。本研究から得られるイメージングを含むバイオマーカーは新規治療法開発に極めて有用であると考えられます。

MAO-B阻害薬rasagilineによるパーキンソン病治療効果と神経回路変化についての研究

気分障害における寛解と回復に関連した神経回路基盤の解明に資する縦断MRI研究

三村 將

三村 將

慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
教授

気分障害の疾病負荷は大きく、その病態解明は重要ですが、気分障害の診断と治療において確立された生物学的マーカーは存在しません。
うつ病治療において、薬物療法や認知行動療法(CBT)が行われますが、これらの治療に反応しない1/3の症例は治療抵抗性うつ病とされ、電気けいれん療法(ECT)、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の適応となります。精神科医は通常診療において、上記4つの治療法を行うことが多いですが、各治療法が神経回路をどのように調整し寛解や回復に導くのは依然として不明のままです。
本研究では、上記の4つの治療法を受療するうつ病を対象として多施設で縦断的に磁気共鳴画像法(MRI)を撮像することにより、うつ病の寛解/回復の神経基質を明らかにするとともに、気分障害の治療反応/再発の予測モデルを作成します。

気分障害における寛解と回復に関連した神経回路基盤の解明に資する縦断MRI研究

人工知能を用いたてんかん治療の最適化に関する研究開発

貴島 晴彦

貴島 晴彦

大阪大学大学院医学系研究科 脳神経外科 
教授

てんかん治療における発作抑制予後を予測し、最適な治療法を選択するための神経科学的エビデンスを構築します。まず、大阪大学てんかんセンターを中心とした複数の施設より、小児及び成人の各ライフステージについて治療前後の生理学的データを収集し、臨床データ、予後データを加えたてんかん患者コホートを形成します。これらのデータから予後予測に最適な人工知能を開発します。また、開発した人工知能の予測やバイオマーカーに基づいて、てんかん診療における最適な治療選択技術を開発します。

人工知能を用いたてんかん治療の最適化に関する研究開発

摂食障害に対する認知行動療法の有効性の神経科学的エビデンスの創出

関口 敦

関口 敦

国立精神・神経医療研究センター
精神保健研究所行動医学研究部
室長

摂食障害に対する認知行動療法(CBT)は国内外で推奨される治療方法であるが、CBT効果の神経科学的メカニズムは未解明です。
本研究では、摂食障害へのCBT前後の縦断的観察研究を実施し、脳MRI、心理データ、臨床データ等を収集し治療効果との関係性明らかにすることで、摂食障害の早期発見・早期介入に資するCBT効果の神経科学的エビデンスを創出することを目指します。
具体的には、既存の摂食障害患者の既存の脳画像データベースを用いた解析研究により摂食障害の診断バイオマーカーを特定し、CBT前後の縦断画像データを用いた解析により、摂食障害へのCBT効果の神経科学的エビデンスを創出します。

摂食障害に対する認知行動療法の有効性の神経科学的エビデンスの創出

注意欠如多動性障害の薬物療法の神経基盤の解明

髙橋 英彦

髙橋 英彦

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学専攻
教授

本研究では、注意欠陥多動性障害(ADHD)当事者を対象にメチルフェニデート(MPH)の開始前と開始後において、臨床症状、認知・行動評価に加えて、マルチモダルの脳画像検査を実施します。MPHが効果的なサブタイプあるいは優勢な病像を同定し、その効果の神経科学的エビデンスをマルチモダルの脳画像で示すことを目的とします。
東京医科歯科大学が患者リクルート・各種検査のコーディネート機能を発揮し、神経研究所・昭和大学・神経研究所・量子科学技術研究開発機構でそれぞれ、MRI、脳波、PETの各モダリティの検査をADHDのMPH治療前後で実施します。

注意欠如多動性障害の薬物療法の神経基盤の解明