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OUTCOMES
2023.03.06

「てんかん」の発生を時間的・空間的にピンポイントで抑える画期的な治療法を開発 -世界で初めてサルでの有効性を実証、臨床応用に向け大きく前進-

概 要

 量子科学技術研究開発機構の南本敬史グループリーダー、宮川尚久客員研究員、および新潟大学の川嵜圭祐准教授、京都大学の高田昌彦教授、井上謙一助教、東京都立神経病院の松尾健医長、情報通信研究機構の鈴木隆文室長らの共同研究グループは、化学遺伝学という手法を利用することで、てんかんの症状が発生した時にのみ神経活動を抑制するオンデマンド治療法を開発し、その有効性をサルモデルで実証することに世界で始めて成功しました。

 本研究では、前頭葉てんかんのサルモデルとして運動機能を司る一次運動野をてんかんの仮想の病巣部位に設定し、この部位に人工受容体を導入し、人工薬剤投与により異常活動やてんかん発作を素早く・確実に・安全に抑えられるかを検証しました。本成果は、脳の大きさや複雑さがヒトに近く、同じ霊長類であるサルを用いて世界で初めて概念実証(Proof-of-Concept)に成功したものであり、臨床治療への応用に向け大きく前進したといえます。また、本研究で用いた化学遺伝学技術は量研が世界に先駆けて霊長類への応用に成功した基幹技術であり、今後は国内外の研究機関などと共同し、10年以内の臨床治療応用を見据えて研究を進めていく予定です。
 

【成果情報はこちら】

https://www.qst.go.jp/site/press/20230228.html (QST)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/23/02/28/10450/(日経バイオテク)
https://www.amed.go.jp/news/seika/2023_seika_index.html(AMED)
 

論文情報

<タイトル>

Chemogenetic attenuation of cortical seizures in nonhuman primates
DOI : 10.1038/s41467-023-36642-6

<著者>

Naohisa Miyakawa, Yuji Nagai, Yukiko Hori, Koki Mimura, Asumi Orihara, Kei Oyama, Takeshi Matsuo, Ken-ichi Inoue, Takafumi Suzuki, Toshiyuki Hirabayashi, Tetsuya Suhara, Masahiko Takada, Makoto Higuchi, Keisuke Kawasaki & Takafumi Minamimoto

 

<掲載誌>

Nature Communications