OUTCOMES
2023.02.27

幻聴に関連した脳構造特徴を発見

概 要

 東京大学の小池進介准教授、笠井清登教授、阿部修教授、浜松医科大学の山末英典教授らの研究グループは、磁気共鳴画像(MRI)から得られた脳構造画像を用いて統合失調症の幻聴に関連した脳構造特徴について研究をおこない、幻聴に関連する脳部位を明らかにしました。

 本研究グループでは、3つの撮像プロトコルデータを結合した大規模データセットを用いて、脳構造特徴を統合失調症幻聴あり群、幻聴なし群、健常対照群の3群で比較し分析しました。その結果、発語処理過程に関わる部位を含めた5つの脳部位で、幻聴あり群に有意な差があることがわかりました。さらに幻聴あり群を、MRI撮像時点での幻聴持続の有無で検討したところ、幻聴持続群では非持続群に比べて、両側海馬体積が減少していることが明らかになりました。今後、幻聴の発生過程の解明や、その治療についての研究に進むことが期待されます。
 

【成果情報はこちら】

https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00072.html (東京大学)
https://www.amed.go.jp/news/seika/2022_seika_index.html(AMED)
 

論文情報

<タイトル>

Structural brain abnormalities in schizophrenia patients with a history and presence of auditory verbal hallucination
DOI : 10.1038/s41398-022-02282-5

<著者>

Mari Sone, Daisuke Koshiyama, Yinghan Zhu, Norihide Maikusa, Naohiro Okada, Osamu Abe, Hidenori Yamasue, Kiyoto Kasai, Shinsuke Koike

 

<掲載誌>

Translational Psychiatry