東京大学の小池進介准教授、笠井清登教授、阿部修教授及び浜松医科大学の山末英典教授らの研究グループは、慢性期統合失調症、及び健常対照の方から計測された複数の磁気共鳴画像(MRI)の脳構造画像データセットを用いて機械学習を行い、70%以上を判別可能な機械学習器を開発し、統合失調症早期群、発達障害群における予測可能性を検討しました。今回開発した機械学習器は、統合失調症の異なる臨床病期(精神病ハイリスク、初回エピソード精神病)及び発達障害群の脳画像データを当てはめると、慢性統合失調症として判別される確率は、精神病ハイリスクより初回エピソード精神病の方が高く、発達障害群の80%以上が健常群として判別されました。そのため、本研究による機械学習器は、臨床現場で必要とされる、鑑別診断や治療予測などのマーカーとしての応用が期待されます。
【成果情報はこちら】
https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/20220408.html (AMED)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00039.html# (東京大学)
Application of a machine learning algorithm for structural brain images in chronic schizophrenia to earlier clinical stages of psychosis and autism spectrum disorder: A multi-protocol imaging dataset study
DOI : 10.1093/schbul/sbac030
Yinghan Zhu, Hironori Nakatani, Walid Yassin, Norihide Maikusa, Naohiro Okada, Akira Kunimatsu, Osamu Abe, Hitoshi Kuwabara, Hidenori Yamasue, Kiyoto Kasai, Kazuo Okanoya, Shinsuke Koike
Schizophrenia Bulletin