多くの専門家が、COVID-19パンデミックの影響が長引くと、深刻な精神的な問題が生じる可能性があると警告しています。このような問題に対処するため、本研究では、一般集団を対象に9種の精神症状を、コロナ禍の直前から約1年半にわたり収集し、症状の変動について主成分分析を用いて解析しました。その結果、コロナ禍の初期にピークを迎えた「不安・うつ気分の成分」と「精神症状共通成分」、そして観測期間に渡って悪化を続けた「社会からの隔絶成分」の存在が明らかとなりました。前者は経済的影響に、後者は人との関わり方が悪化の程度と関係していました。これらを踏まえた、適切な対策により、コロナ禍による心理的苦痛の軽減への貢献が期待されます。
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https://www.atr.jp/topics/press_20211111.html(ATR)
Multiple time measurements of multidimensional psychiatric states from immediately before the COVID-19 pandemic to one and half year later: a longitudinal online survey of the Japanese population
DOI : 10.1038/s41398-021-01696-x
Taiki Oka, Takatomi Kubo, Nao Kobayashi, Fumiya Nakai, Yuka Miyake, Toshitaka Hamamura, Masaru Honjo, Hiroyuki Toda, Shuken Boku, Tetsufumi Kanazawa, Masanori Nagamine, Aurelio Cortese, Minoru Takebayashi, Mitsuo Kawato, Toshinori Chiba
Translational Psychiatry