OUTCOMES
2019.03.22

脳科学研究における倫理的諸課題への国際的取り組み

概 要

脳科学に関連する倫理問題を国際的に認知されたbrain projectを中心に議論し、将来的に倫理ガイドライン作成につなげる会議として、Global Neuroethics Summitが韓国テグ市で2017年10月に開催されました。日本からは、革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト(革新脳・Brain/MINDS)を代表して笠井清登先生(東京大学)が出席され、その成果はNeuron誌に掲載されました (Rommelfanger et al., 2018)。2018年10月に第二回GNSが韓国ソウル市で開催され、前回会議で提示された倫理問題に対する各国の対応について議論しました。革新脳を中心に脳プロを含めた日本の脳科学研究における倫理的諸問題を俯瞰するとともに、2018年度に開始された、戦略的国際脳科学研究推進プログラム(国際脳・Brain/MINDS Beyond)について言及しました。その内容が今回Neuron誌に掲載されたものです(Sadato, et al. 2019)。第三回は、IBRO(韓国、テグ市)のサテライトシンポジウムとして開催予定で、国際連携についての具体的提案に関して討議が行われます。

論文情報

<タイトル>

Neuroethical Issues of the Brain/MINDS Project of Japan
DOI : 10.1016/j.neuron.2019.01.006

<著者>

Norihiro Sadato, Kentaro Morita, Kiyoto Kasai, Tamami Fukushi, Katsuki Nakamura, Eisuke Nakazawa, Hideyuki Okano, and Shigeo Okabe

<掲載誌>

Neuron

<タイトル>

Neuroethics Questions to Guide Ethical Research in the International Brain Initiatives
DOI : 10.1016/j.neuron.2018.09.021

<著者>

Global Neuroethics Summit Delegates, Karen S. Rommelfanger, Sung-Jin Jeong, Arisa Ema, Tamami Fukushi, Kiyoto Kasai, Khara M. Ramos, Arleen Salles, and Ilina Singh

<掲載誌>

Neuron