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OUTCOMES
2023.03.24

統合失調症、うつ病、双極性障害に関連した脳内ネットワーク異常を発見

概 要

 東京大学の小池進介准教授、和歌山県立医科大学の石田卓也助教、東京大学の笠井清登教授、東京大学の阿部修教授、広島大学の岡本泰昌教授、京都大学の村井俊哉教授、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の川人光男所長らの研究グループは、安静時機能的磁気共鳴画像(rsfMRI)から得られた脳機能画像を用いて、統合失調症、うつ病、双極性障害の脳内大規模ネットワーク間の因果性結合異常を評価し、3疾患に共通する因果性結合異常とともに各疾患特異的な因果性結合異常のパターンを明らかにしました。

 本研究では、日本国内3施設の4つの大規模rsfMRIデータセットを用いて、統合失調症、うつ病、双極性障害における7つの脳内大規模ネットワーク間の因果性結合を評価し、比較することで、動機付けや意思決定、記憶や言語処理に関係する大脳辺縁ネットワークにおける自己抑制性の因果性結合が3疾患で共通して減少していることを明らかにしました。また、各精神疾患特異的な脳内大規模ネットワーク間の因果性結合異常も明らかにし、これらが各疾患の症状と関連することがわかりました。今後、精神疾患における脳内大規模ネットワーク間の結合異常をさらに精密に検討することで、精神疾患の生物学的病態基盤の解明につながることが期待されます。

【成果情報はこちら】

https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00078.html (東京大学)
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/20230315200000.html(大学院総合文化研究科)
https://www.amed.go.jp/news/seika/2023_seika_index.html(AMED)
 

論文情報

<タイトル>

Aberrant Large-Scale Network Interactions Across Psychiatric Disorders Revealed by Large-Sample Multi-Site Resting-State Functional Magnetic Resonance Imaging Datasets 
DOI : 10.1093/schbul/sbad022

<著者>

Takuya Ishida,  Yuko Nakamura,  Saori C Tanaka,  Yuki Mitsuyama, Satoshi Yokoyama,  Hotaka Shinzato,  Eri Itai,  Go Okada,  Yuko Kobayashi, Takahiko Kawashima,  Jun Miyata,  Yujiro Yoshihara,  Hidehiko Takahashi, Susumu Morita,  Shintaro Kawakami,  Osamu Abe,  Naohiro Okada, Akira Kunimatsu,  Ayumu Yamashita,  Okito Yamashita,  Hiroshi Imamizu, Jun Morimoto,  Yasumasa Okamoto,  Toshiya Murai,  Kiyoto Kasai,  Mitsuo Kawato, Shinsuke Koike

 

<掲載誌>

Schizophrenia Bulletin