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OUTCOMES
2021.06.12

機械学習法によるうつ病診断と抑うつ症状に共通する脳回路の発見

概 要

 山下歩研究員らATR脳情報通信総合研究所、広島大学、東京大学、昭和大学、京都大学、山口大学、理化学研究所の研究グループは、人工知能技術を駆使することで、機能的磁気共鳴画像(fMRI)データに基づいて撮像施設によらず有効な抑うつ症状を予測する脳回路マーカを世界に先駆けて開発しました。これまで脳画像と機械学習を用いて臨床応用を目指した研究の75%が医師の診断を予測する研究でしたが、診断と神経生物学的異常の間に明確な関連が見られないという大きな問題がありました。

 本研究では、うつ病を対象として神経生物学的異常に直接関わると考えられる症状を予測する脳回路マーカを開発することで抑うつ症状に関わる脳回路を明らかにしました。更に、うつ病診断に関わる脳回路と比較したところ、島皮質に関連する脳回路が共通していることがわかりました。本研究で明らかにした脳回路を対象とした治療法を開発することで、効率的に抑うつ症状を抑制することが期待されます。

論文情報

<タイトル>

Common Brain Networks Between Major Depressive-Disorder Diagnosis and Symptoms of Depression That Are Validated for Independent Cohorts
DOI : 10.3389/fpsyt.2021.667881

<著者>

Ayumu Yamashita, Yuki Sakai, Takashi Yamada, Noriaki Yahata, Akira Kunimatsu, Naohiro Okada, Takashi Itahashi, Ryuichiro Hashimoto, Hiroto Mizuta, Naho Ichikawa, Masahiro Takamura, Go Okada, Hirotaka Yamagata, Kenichiro Harada, Koji Matsuo, Saori C. Tanaka, Mitsuo Kawato, Kiyoto Kasai, Nobumasa Kato, Hidehiko Takahashi, Yasumasa Okamoto, Okito Yamashita and Hiroshi Imamizu

<掲載誌>

Frontiers in Psychiatry