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OUTCOMES
2020.07.06

母子手帳で評価した母乳栄養期間と早期思春期における背側および腹側線条体および内側眼窩回の体積と関連

概 要

母乳栄養は後の児の感情および運動の発達に影響を与えることが知られています。新生児期および乳児期の母乳栄養が早期思春期における脳神経発達にどのように影響するかを知ることは児の健康な発達を支援する上で重要ですが、これまでに十分に明らかにされていませんでした。本研究では、東京ティーンコホート参加者のうち11〜13歳の207名を対象にMRI画像検査を行い、母子手帳をもとに調べた母乳栄養期間と、脳構造との関係を調べました。その結果、母乳栄養期間と背側および腹側線条体および内側眼窩回の体積とが正の相関を示しました。また事後の解析により母乳栄養期間が児の感情的行動と関連することがわかり、さらに内側眼窩回の体積が母乳栄養期間と感情的行動との関係を媒介していることがわかりました。これらの結果は、母乳栄養が感情的発達に関連する脳神経発達に重要な役割を果たしていることを示しています。

論文情報

<タイトル>

Association between duration of breastfeeding based on maternal reports and dorsal and ventral striatum and medial orbital gyrus volumes in early adolescence 
DOI : 10.1016/j.neuroimage.2020.117083

<著者>

Daisuke Koshiyama, Naohiro Okada, Shuntaro Ando, Shinsuke Koike, Noriaki Yahata, Kentaro Morita, Kingo Sawada, Susumu Morita, Shintaro Kawakami, Sho Kanata, Shinya Fujikawa, Noriko Sugimoto, Rie Toriyama, Mio Masaoka,Tsuyoshi Araki, Yukiko Kanoj, Kaori Endo, Syudo Yamasaki, Atsushi Nishida, Mariko Hiraiwa-Hasegawa, Kiyoto Kasai

<掲載誌>

NeuroImage